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【花みどりフェア】清川あさみ×淡路人形座「ええとこどり 或る夜の段」「戎舞+(プラス)」

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レポーター紹介

投稿者じりこ
性別女性
年代40代
住まい兵庫県明石市
趣味サイクリング、食べ歩き、漫画
自己紹介2年間住んですっかり淡路島にハマりました!住んでいたときに感じていた「淡路のいいとこ」をお伝えできればと思います。

清川あさみ×淡路人形座「ええとこどり 或る夜の段」「戎舞+(プラス)」

 

淡路人形浄瑠璃は、国の重要無形民俗文化財に指定されている、500年の歴史がある伝統芸能です。

そんな淡路人形浄瑠璃を楽しめるのが、福良にある淡路人形座です。

今回、淡路島出身のアーティスト清川あさみさんが、この伝統芸能を総合プロデュース

文楽に精通するいとうせいこうさんの脚本と相まって、新しくありながら伝統芸能のよさを感じられる演目になっています。

 

観終わっての感想は…正直、予想をはるかに上まわる面白さでした!

実のところ、伝統芸能って知識なくて楽しめるかなぁと思いつつ観に行ったのですが(失礼)、とっても面白かったです。見終わった後、テンションあがりました。

さすが500年続くエンタメ!

 

 

 

■清川あさみさんの洗練された演出!

新演目は、清川さんの現代的な感性が驚くほどに伝統芸能にマッチして、力強く華やかな作品となっています。

9月から始まった「ええとこどり 或る夜の段」で、特にすごいなと感じたのはこちら。

 

1 光の演出

清川さんは、舞台のライティングにすごくこだわられたそうです。

例えば衣装山。照明は若干暗めです。ほの暗い中浮き上がる着物をじっと目を凝らして見るので、いつの間にか意識が舞台に集中し、演目に吸い込まれています。

 

2 華やかな衣装

戎様やお七ほか、人形の衣装は清川さんが新たにデザインされたそうです。華やかな衣装は観ているだけで楽しい!

新しいデザインなのに作品になじんでおり、人形の演技や物語をより引き立てます。

 

3 月の満ち欠け

「或る夜の段」は、時の流れを月の満ち欠けが象徴しています。

その月が、最後はすごい迫力で現れ、思わず息をのみました。どのような出現の仕方をするのかは、観てのお楽しみ。

 

4 八百屋お七の炎

八百屋お七のクライマックスと言えば、燃え上がる炎の中、櫓の半鐘を鳴らすシーン。この月夜の櫓、そして炎の場面がすごい迫力!そして美しい!!

まさに神演出。見惚れました…!

 

 

 

■淡路人形座のエンタメ魂!

1 人形の動き

淡路人形浄瑠璃は3名で人形を動かします。これが変な言い方ですが、生身の人間以上に人間らしい動きです。

 

一番すごい!と思ったのは、八百屋お七が櫓に登る場面。

人形なのに、人形だからこその、すさまじい激情を感じさせる動きで、物語を人形でみせる理由が初めて分かったような気がしました。

 

 

2 七変化

狐七化けの段は、早変わりが見どころ。演者が次々と衣装と人形を変えていき、そのたびに拍手が沸き起こります。

涼しい顔でやっておられましたが、上下運動大変そうだなと思って観てました(笑)。

 

3 人形座の方のおもてなし

観劇後、戎様とツーショット写真を撮ることができます。

撮影時に黒子の方が持っているのは、俗にいう女優ライト。これで写真写りもバッチリ!

 

他にも随所に、来場者を楽しませようという人形座の方のおもてなしの心を感じました。

 

 

 

 

■清川あさみ×人形座

清川あさみさんについて、これまで刺繍アートしか存じあげませんでしたが、今回の公演を観て、すごく多才なプロデュース能力を持った方だと感じました。

戎舞+の上演時は、清川あさみさん作成の緞帳も見られます。力強い朝日の作品で、観ているだけでエネルギーをもらえそうです。

 

(清川さんデザインの緞帳・inori)

 

 

新演目にあたり、清川あさみさんといとうさんは、緩やかなアップデートという言葉を大事にされたそうです。

伝統芸能に対する敬意と愛情、そして新演目に対する熱意を感じました。

 

清川あさみさんの感性と人形座のエンタメ魂が、新たな名作を生んだ…!

清川あさみ×淡路人形座の新演目、超おススメです!!

 

 

清川あさみ「淡路人形浄瑠璃 再生」 | ASAMI KIYOKAWA

淡路人形座 - 公益財団法人淡路人形協会

 

~清川あさみ×淡路人形座の新演目~

「ええとこどり 或る夜の段」…「衣裳山」「玉藻前曦袂 狐七化けの段」「伊達娘恋緋鹿子 火の見櫓の段」を、ある月の夜のできごととして一度に楽しめる、贅沢なお話です。まさに「ええとこどり」。

「戎舞+(プラス)」…もともと上演されていた「戎舞」に、淡路島の由来や巫女の舞をプラスした作品。酔った戎様が人々に幸せを振りまいていく、観ていて楽しい気分になるお話です。

 

 

※記事内容は取材当時の情報です。詳細は各イベント・施設・店舗までお問い合わせください。

Date:2021.10.04