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勝手にお庭訪問③ 高校生花とみどりのガーデン

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レポーター紹介

投稿者西海岸の住人
性別男性
年代60代
住まい兵庫県洲本市
趣味撮影
自己紹介「あなたの淡路島」を発見する一因になるような内容をお届け出来ればと、何の根拠も無く無責任に勝手に考えております。宜しくお願いします。

高校生花とみどりのガーデン

今まで秋に開催されていたイベント「高校生花とみどりのガーデン」が今春、特別に「花みどりフェア」の淡路夢舞台で行なわれました。これは兵庫県内で農林水産関係の課程を学ぶ高校生達が、日頃の授業の成果を発表する場でもあるそうです。

ご覧のように、園路の一画にあらかじめ決められた横2.5m×奥行1.5mのスペースを使い、各高校が庭造りを行ないました。

今回の参加校は・・・

①兵庫県立有馬高等学校 環境班、②兵庫県立篠山東雲高等学校 アグリプロダクト類型、③兵庫県立氷上高等学校 課題研究 草花班、④兵庫県立篠山産業高等学校 農と食科 園芸部、⑤兵庫県立播磨農業高等学校 園芸科 草花デザインコース、兵庫県立農業高等学校 園芸科、⑦兵庫県立佐用高等学校 農業科学科、⑧兵庫県立上郡高等学校 SUZURAN、⑨兵庫県立山崎高等学校 森林環境科学科、⑩兵庫県立淡路高等学校 花と緑と海のめぐみ系列、⑪兵庫県立  但馬農業高等学校 農業科 草花班

の11校でした。

それでは、早速現場をご紹介します。(なおこの順番は会場の淡路夢舞台での実際の展示順ですので、ご了承ください。)      

 


兵庫県立有馬高等学校 環境班

作品名:芽生え

コンセプト: ようやく春を迎え、大地より勢いよく芽を出し、生育していく姿を花を使って表現しました。

 

ゴールドクレストという高さのある植物(中央の3本の緑)を使用し、その周りをビオラとパンジーで彩りを加えています。

生命の躍動感と息吹きが素直に感じられます。学生達の意気込みが、ゴールドクレストに上手く投影されているようです。

 


兵庫県立篠山東雲高等学校 アグリプロダクト類型

作品名:Spring Garden ~フラワーボールを使った庭~

コンセプト: 春に開催されるガーデンショーということで、次の学年へ進級するワクワク・ドキドキな心境を明るい花をたくさん使用し、表現しました。中心にある球体状の寄せ植え(フラワーボール)や学校で栽培した花を使用した点がポイントです。

 

庭の中心に周りの仲間との協調をイメージさせる「環」を配置したり、背景に見えてしまう余計な景色を敢えてブルーバックで隠したりと、こだわりが感じられました。

 


兵庫県立氷上高等学校 課題研究 草花班

作品名:庭の小道 ~春の庭作り~

コンセプト: 春のとある日、庭作りをしている一瞬をイメージして制作しました。鉢に花苗を植えている途中や、転がった鉢を置いて時間が止まったイメージをしました。最終的に、どんな庭ができるのかな?一緒に想像してください。 

 

庭作りの途中の光景を提示して、その後の完成形は見る人に委ねるという「観客参加型」の独特な見せ方がされていました。 そして学生達がとても楽しんで作業を行っている様子が伺えます。

 


兵庫県立篠山産業高等学校 農と食科 園芸部

作品名:幸運を届ける庭

コンセプト: 四つ葉のクローバーの花言葉は「幸運」です。そして、一枚の葉ごとに意味があるといわれています。
希望(黄色)・幸福(ピンク)・健康(オレンジ)・愛情(赤色)諸説ありますが、それぞれの意味を色で表しました。新たな出発の時期に、新たな挑戦の時期に、皆さんに「幸運」が届きますように。

 

四つ葉のクローバーの幸運が、新たな行動を起こす皆さんに届きますように!と学生達がエールを送っています。他人を思いやる心配りと優しさが感じられる作品ですね。

 


兵庫県立播磨農業高等学校 園芸科 草花デザインコース

作品名:花の階段 ~Flower stairs

コンセプト: 小さな種から花を咲かせるまでの水や温度管理、病気や牛への対策など栽培実習を通して、育てることの難しさを学んでいます。花について階段を上るように少しずつ知識技術を高め、たくさんの人に花の魅力を伝えられるよう、ひとつひとつ積み重ねていく私たちの姿を表現しました。

「多くの人に花の魅力を伝えたい」という思いを持って日々一歩一歩努力を積み重ねている、そんな学生達の様子が花の階段を使ってストレートに表現されていました。近い将来、その努力が報われる日が必ずやって来ますように!

 


兵庫県立農業高等学校 園芸科

作品名:朝のアトリエ

コンセプト: 春の色鮮やかな球根植物を中心に、アトリエをイメージして作った寄せ植えです。より生活感を出すために、自転車や倒れた木桶でディスプレイしてみました。見る角度によって、いろいろなストーリーを想像できるのではないでしょうか。

 

1日の始まりの朝、庭の周辺に配置された植物の「静」と一方、片隅に倒れている木桶の「動」。これらの静と動によるコントラストが、この作品に躍動感を与えているように感じられました。  

 


兵庫県立佐用高等学校 農業科学科

作品名:うららかな春のアトリエ

コンセプト: 心地よい春の空気に絵を描いている様子を表現しました。春らしくたくさんの花と緑に囲まれた、のどかな風景をイメージしました。

 

最近流行りつつあるワーケーションの現場としては最高の環境かも知れません。こんな素晴らしいアトリエで創作活動が出来れば、さぞかし名作が生まれそうですね。

 


兵庫県立上郡高等学校 SUZURAN

作品名:雨上がりの公園

コンセプト: ある春の日の雨上がりを心待ちにしていた子供たちが、ワクワクした様子で公園を駆けていき、遊んでいる姿をイメージしてデザインしました。子供たちの元気で明るい雰囲気と、あふれる笑顔が伝わるよう工夫しています。

 

確かに子供は水たまりが大好き。傘と長ぐつ、レインコートがあればもう怖いものナシ。雨上がりの虹を見ながらきれいな花に囲まれた公園の水たまりで、子供達のはしゃいでいる声が聞こえてきそうな、絵本の1ページを連想させる作品です。

 


兵庫県立山崎高等学校 森林環境科学科

作品名:Old Is New Old IS NEW ~趣と彩~

コンセプト: 学科の特徴である、木材を生かした作品に仕上げました。モノトーン・ブラウンといった落ち着いた色合いをベースに、鮮やかな差し色を取り入れ、古き良きものと新しいカタチを表現しました。閑寂な中に、奥深さや美を感じていただければと思います。

 

現場で見た時、明らかに他校の作品とは何か雰囲気が異なると感じていました。後にこの作品の制作メンバーが「全て男子」だと知らされた事で納得。ガーデニングにファッション的要素が巧みに取り入れられているようです。

 


兵庫県立淡路高等学校 花と緑と海のめぐみ系列

作品名:春よこい

コンセプト: 暖かい春が待ち遠しく、早く春が来てほしい花や木たちを想像してデザインしました。

 

地元淡路高校の作品です。豊かな自然の大地、海が表現されたシンプルで素朴で少し控え目な印象です。ですが、使われている植物は学生自身が苗から育てたもので、その自信と誇りが感じられます。

 


兵庫県立但馬農業高等学校 農業科 草花班

作品名:花で彩る幸せの門出

コンセプト: ガーデンウエディングをメーンコンセプトにしています。コロナ禍でも春は必ず訪れます。「誰かの新しいスタートを祝福したい」「みんなが幸せな春を迎えてほしい」そんな思いを込めてデザインしました。

 

新しい幸せの門出を祝う「ガーデンウエディング」という今風の、他の学校には見られないテーマでした。某有名結婚情報誌がすぐにでも取材に来そうな作品でした。

 


いかがでしたでしょうか?

どの作品もそれぞれの個性が存分に表現されていて、ユニークで興味深いものばかりでした。この感性を大人になっても大切に持ち続けていって欲しいと思います。何年後かの淡路花博の総合プロデューサーとして、活躍するメンバーが将来この中から出て来る(?)かも知れませんね!

 

本件の企画をされて、なおかつご自身も造園技士である担当の方は、

「以前は流行などはあまり取り入れなかったが、若い人は敏感で時代に合わせた見せ方を上手にやっている」

「正直、開催初期にはあまり(出来を)期待してなかったけど、毎回高校生の作品を見ていると、とても刺激を受けて今では見るのがとても楽しみです」

と語っておられました。

 

秋には再び会場を本来の兵庫県立公園あわじ花さじきに移して、9月18日~10月31日まで開催が予定されています。           

次回はどんな作品が登場するのか、こちらにも注目です。

 

 

■取材協力

一般財団法人 淡路島くにうみ協会

※記事内容は取材当時の情報です。詳細は各イベント・施設・店舗までお問い合わせください。

Date:2021.09.01